わたらせ渓谷鐵道に行ってみる。 その1
曇天模様の空の下、僕は寝ぼけ眼で自転車を漕ぎ、海老名駅に到着した。現在8時10分。
とても眠い。
「わ鉄」こと、わたらせ渓谷鉄道に乗ってみようと思い、ハードスケジュールになるのを想定して、前日の夜、早めに眠りについたところまではよかった。
しかし、しばらくすると、モスキート野郎が羽音を喚き散らし、僕の睡眠を妨げるので、寝室から自分の部屋へと逃げ込んだ。さらにそこでも奴の襲来にあい、暫く応戦した結果、寝不足である。
時間ギリギリまで寝てたため、朝食を作る時間もなく、コンビニでオニギリを2つ買い、2分でかきこんだ。
最近は、毎週土曜に色々な鉄道に乗っているか、雨だったためしがない。それどころか、快晴ばかりだ。今日は雲がかっているものの、日光が差し込む猶予があるため、外は比較的、明るい。運に恵まれていることに感謝する。
いつものように、僕は最後尾の車輌に乗り込み、この人はすぐ近くの駅で降りるだろうと目星をつける。今日は予感が的中し、端っこの席に座れることになり、やはりついてるな、と感じられてうれしい。
以前の記事でも書いたが、最近、自身の行動力が上がってきてると、実感している。やはり、コツは最初の衝動を大事にする、ということなのだろう。そして、後は何も考えない。
旅にしても、効率を求めてあれこれ調べていると、段々行くのが面倒臭くなってくる。なので、電車の時刻を調べることと、モバイルバッテリーや携帯の充電をするぐらいしかやらない。
そして、朝、家を出れれば、もうこっちのもんである。ただ目的地に行けばいい。こうして気楽に旅をすることが出来るのである。
わたらせ渓谷鉄道に行こうと思ったのは、テレビで窓のないトロッコ列車が景観の良い場所を走ってるのを見て、気持ちよさそうだと感じたからだ。早速、翌日に電話をしてトロッコ列車の予約をした。雨天だと合羽などの雨具が必要になるため、今日が雨でなくて心から良かったと思う。
場所を調べてみると、僕の家からは小山駅から両毛線を通るルートが遠回りだが安い。昔、あしかがフラワーパークに行ったときに乗ったローカル電車が、この両毛線だということを思い出し、懐かしさもあり、さらに秒速5センチメートルでも登場してた岩舟駅にも降りてみたい、という思いから、このルートで行くことにした。
1本でも電車に乗り遅れるとトロッコ列車の出発時間までに間に合わないような、ミスの許されないスケジュールになってしまったが、いつものことだ。帰りはどうとでもなるし、行きだけ、慎重になればいいわけだ。
僕は予定通り、海老名駅から小田急線に乗り、まずは新宿へと向かうのであった。